ポジティブ・シンキング! 中日デビューを控えた大野奨太捕手(31)が28日、マツダスタジアム攻略法を披露した。中日は昨年、同球場で悪夢の2勝10敗。日本ハムの正捕手として広島との日本シリーズを制した大野奨は、データを覆すためにポジティブのススメを説いた。

 カープに勝った男の金言だ。16年の頂上決戦。日本ハムはマツダで2連敗後に4連勝。最終戦は不利と思われた敵地で10-4と快勝した。「優勝捕手」は大歓声と赤一色の独特ムードに包まれる同球場の記憶を振り返った。

 「実際に味わうとアウェー感はすごい。でもその中で戦わないと。自分を応援してもらっていると思えばいい。いい方向に考えれば、いい方向にいくと思う。開幕戦は誰もが緊張するが、その中で戦っていけば成長する。楽しく感じられるかは自分次第だと思う」

 赤ヘル打線のカギは田中、菊池、丸の1~3番トリオ。3人に対し日本シリーズ6試合で打率2割5分7厘、8四球の成績が残る。「気にしません。(日本ハムとは)投手も違うし、同じ成績になるとは限らない」。相手の徹底分析が求められる短期決戦を戦った経験は、大野奨の中に蓄積されているはずだ。

 この日はナゴヤドームでの全体練習中、ブルペンで開幕投手の小笠原の投球を受けた。昨秋に手術を受けた右肘の状態が上がらず、一時は開幕が危ぶまれたが、痛みや不安はもうない。開幕マスクは確実だ。「どのチーム、どの環境でも一番初めの試合は緊張する。でも、1年間を通して(どう抑えるか)ですね」。新たな竜の“前向き脳”がマツダを違う場所に変えてくれる…。そんな期待感が膨らむ。【柏原誠】