無人のスタンドに、ミットの音が響き渡った。明日4日のDeNA戦で今季初先発する阪神小野泰己投手(23)が2日、横浜スタジアムで投手練習に参加。初めて訪れた球場に慣れようと、球場のマウンドを使って公開の投球練習を行った。直球にカーブなど変化球も交えて56球。キレのあるボールを投じ「思ったより硬くなく、投げやすかった」と手応えを口にした。

 “筒香デモ”も終えた。18球目からはスタッフが打席に入った。右に立たせた7球に対し、左に立たせてからは32球。「右も左も1人1人抑えることが大事」と前置きした上で「筒香さんがいるので。しっかり抑えないといけないので、多く立ってもらった」と説明。昨季は6打数1安打3三振と抑えているが「去年は去年で終わったこと。また新しく、去年のことは気にせず1球1球をしっかり投げていきたい」と引き締めた。

 シーズンでも「0」を並べる。2月のキャンプ中から実戦でまだ1度も失点していない。直近登板した3月29日の2軍練習試合近大戦(鳴尾浜)でも3回を0封。最終調整を終え、実に29イニング連続無失点のまま自身の開幕を迎える。開幕ローテを勝ち取った今季は、シーズン途中に初先発した昨季とは違う。「立場も少し違うのかなと思うので。しっかりチームのために投げられれば」。週頭の大事な一戦。チームの勝率を5割に戻すことから、1年が始まる。【池本泰尚】