中日高橋周平内野手(24)にとっては「涙目のリクエスト」だった?

 2-1の6回1死二塁。大事な二塁走者だった高橋は、谷岡からけん制球を受けた。坂本勇の鋭いタッチをかいくぐるように手を伸ばし、ぎりぎりセーフの判定。だが巨人高橋監督はすかさず審判団に「リクエスト」した。

 「顔にタッチされたので手は入っているかな」と思っていた高橋だが、審判団が映像確認中、場内の大型ビジョンに映されたリプレー映像を見て青ざめた。ホーム側から映されたスローモーションはアウトのように見えた。巨人の応援席からはアウトを確信して大拍手が起こった。

 4回の攻撃で中日側のリクエストによってアウト判定がセーフになり、2点目を奪っていた。その「お返し」になる流れかと思われたが、別の角度からの映像では高橋の手はベースに先んじていた。

 生き残った高橋はその後、貴重な3点目のホームを踏んだ。7回には連日の適時三塁打で貴重な追加点を奪った。「点がほしいところ。チャンスだから振っていった。1勝できてよかったです」。ホッとした表情で球場をあとにした。【柏原誠】