千葉の夜に「鬼の福良」が出た。オリックスが開幕から6カード連続で初戦を落とし、10敗目を喫した。試合後の福良監督は「キャッチャーのところを代えます」と、伊藤を2軍降格し、山崎勝を昇格させることを明言。冷静な口ぶりとは裏腹に目は笑っていない。今季初めてとも言える怒りの表情だった。

 目を覆いたくなるようなシーンの連続だった。1点リードの5回無死二塁。菅野の送りバントを金子が一塁送球したが、一塁ベースカバーに入った二塁手大城が捕球ミスで失点。その後も1死二、三塁からスプリットを止めきれなかった伊藤の捕逸で勝ち越しを許した。

 攻撃でもため息の連続だった。2回2死二、三塁と追加点のチャンスで伊藤が三ゴロ。7回には先頭大城が失策で出塁も、続く伊藤が送りバントを失敗。最悪の併殺となった。ロッテよりも6本多い9安打を放ちながら得点に結びつかない。特に伊藤は昨季から49打席連続無安打とブレーキになった。

 「(7回は)いつも言ってるように、そういうところしっかりやらないと。せっかく向こうがエラーしてくれたのに流れが向こうに行ってしまう」。ミス連発で流れを渡してしまったような敗戦。福良監督の悩みは深い。【桝井聡】