阪神は28日の広島戦(マツダスタジアム)で始まる9連戦をリリーフ陣のスクランブルで乗り切る覚悟だ。マルコス・マテオ投手(34)が26日、子供の出産でドミニカ共和国に一時帰国するため、出場選手登録を抹消。チームに大きな痛手だが、金本知憲監督(50)は守護神のドリスが3連投した場合は、次戦で代役の抑えを立てる方針も明かした。藤川や桑原、岩崎が候補で、総動員で試練のゴールデンウイークをしのぐ。

 さざ波が桟橋に砕ける松山観光港で、金本監督が今後に思いをはせた。明日28日の広島戦から勝負の9連戦が始まるが、必勝リレーの重要なパーツを欠くことが判明した。昨季の最優秀中継ぎ右腕マテオが子供の出産立ち会いで、近日中にドミニカ共和国へ一時帰国するため、登録を抹消された。再来日の日時は未定で剛腕不在で9連戦を戦う。

 チームにとっては一大事だが、同僚の家族が増える慶事だ。香田投手コーチは「痛いけどね。9連戦で彼が投げられないのは残念ですけど、おめでたいことなので」と喜び、救援陣一丸でカバーする気概だ。同コーチは「彼が抜けた7、8回はみんなでやりくりしていきたい。(打者の)右左や相性、打順が中軸か下位打線かだったり」と、連戦中の継投を想定した。

 チームには鉄のオキテがある。「4連投NG」だ。昨季もこのルールに従い、5投手が離脱することなく60試合以上に登板した。指揮官も「3連投で(合計)60球、投げたらあかんわ。理想は50球やけどな」と言った。

 接戦になれば、勝ちを拾うためにリリーフ陣が投入されていく。懸案は守護神ドリスの酷使だろう。シーズン序盤戦で9連戦も無理させず、4連投を回避する方針。代役クローザーを立てる構想も口にした。

 「誰、行こうか(笑い)。球児もアリやろね、状態によっては。常に状態を見ながら。ブルペンから連絡をもらって。球児もいいし、桑原もいいし、岩崎でもいいんちゃう? 状態と球数を見ながら。相性とか」

 試合終盤は状況に応じて実力者を臨機応変に投入する考えだ。藤川がストッパーを務める可能性もあり、16年以来、2年ぶりのセーブも現実味を帯びる。プロ入り後、0セーブの桑原と岩崎は未知の領域だ。離脱したマテオの代役には、新外国人モレノを昇格させる。救援8人体制を維持し、長期連戦にチャレンジする。

 金本監督は「今年、リリーフ、この1カ月、登板間隔、そこまで投げていない。8人が大きいわ。8人いなかったら誰かが投げているんだから」と説明。昨季の救援防御率2・68はリーグ1位。今年は3・38にとどまるが、リーグ屈指の陣容だ。マテオ不在を発奮材料に変える。【酒井俊作】