ヤクルトの“ライアン”が1軍に帰ってきた。昨年10月に右肘を手術したヤクルトの小川泰弘投手が10日、今季初先発予定の13日DeNA戦(横浜)に向けて1軍に合流。

 神宮室内練習場で実施された先発陣の練習に参加し、石川、ブキャナン、由規、原と汗を流した。神宮球場を訪れたのはオフのイベント以来といい「球場に着く途中で無意識に(2軍施設の)戸田に行きそうになりました。戸田は遠いから『もう着いた』って感じでした」と、ジョークで笑いを誘った。

 術後の辛いリハビリを、成長の糧とした。「手術を経験して、いろんな感じ方をした。不安な時もあったけど、やれることをしっかりやってこられた」。左足を高々と上げる独特のフォームを再チェックし、下半身の力を使って投げるように努めた。2軍で実戦復帰すると「試合勘を取り戻す」「テンポ良く投げる」「1球1球、意思を込めて投げる」ことを意識して、1軍の舞台につながる投球を心掛けてきた。

 手術から7カ月後。ようやく、復活の時が来た。13日は100球前後の球数を予定し、中6日でローテーションを担っていく構想だ。練習を見守った田畑投手コーチは「キャッチボールが上手。同じフォームで投げている。本来は最多勝を取ってもおかしくない投手。先発投手に勝ちがついていないので、そこはクリアしてほしい」と期待を寄せた。小川も、きっちり応えるつもりだ。「今日久々に神宮に来て、戻って来られたことに喜びを感じました。支えてくれた人がたくさんいたので、ありがたい気持ちが湧いてきました。(復帰までに)時間はかかったと思う。でも、状態が悪くなるとかなかたので、しっかり段階を踏めて来られた。僕自身、開幕1戦目。まずは自分のいいボールを投げてリズムをつくって、チームに貢献していきたい」。“ライアン小川”が、5月攻勢の旗手となる。