ソフトバンク先発リック・バンデンハーク投手（３２）が、日本ハム中島にまさかの満塁弾を浴びた。プロ１０年目で過去１本塁打、しかも初本塁打まで通算２２８７打席とプロ野球史上、最も打席を要した男に、ホームランテラスではなく、右翼スタンドにたたき込まれた。

　１点差に迫られた２回、１死満塁から痛恨の１発となった。バンデンハークは「戦っている以上、（中島が）打つ可能性はある。失投。真ん中に入ってしっかり打たれてしまった」と悔やんだ。今季１２球団ワーストのチーム４０本目の被本塁打。工藤監督も「ちょっと高かった。ビッグイニングをつくると取り戻すのが厳しい」と、努めて冷静に話したが、悔しさは隠せなかった。

　打線は１２安打を放つも１１残塁。１～３番は７安打、３打点と好調だが、４番内川、５番デスパイネ、６番松田の３人は１安打ずつで元気がない。この日は「タカガールデー」で女性入場者にピンクのユニホームが配布された。満員３万８５３０人のうち、女性客は２万７２３１人と７割を占めたが、黄色い声援は悲鳴と変わった。日本ハムに連敗し３位に転落した。

　「タカガールデー」は好評のため今年から２日間開催となった。今日１３日こそピンクのスタンドに応えたい。工藤監督は「今日はリリーフ陣を休ませたし、明日（１３日）は頑張ります」と気持ちを切り替え球場をあとにした。前回１安打完封した武田に連敗ストップをかけたマウンドを託す。【石橋隆雄】