日本ハム有原航平投手(25)が、楽天則本に投げ負けた。早すぎる、痛恨の被弾だった。2回。1死から四球を与え、続く内田に先制の3号2ランを献上した。外角低めの149キロ直球を右翼席へ運ばれた。「もっと厳しいボールを投げないといけなかった」。相手エースを勢いづける潮目になったシーンだった。

 その後スコアボードにゼロを並べ続けて迎えた7回。味方失策で3点目を失った直後に四球。2死一、二塁からオコエに2点適時三塁打を浴びてKO。「何が何でも抑えないといけないところだった」。一方で、則本は8回まで6安打を浴びながら、要所を締め続けて無失点に抑えた。両チームの先発陣の軸を担う右腕同士の対決に、完敗した。

 有原は右肩痛で開幕は出遅れながら、ここまでチームトップタイの4勝を挙げている。ただ、防御率は5・30。チームから期待されている数字からは遠い。この日、則本を打ち崩せなかった打線は2試合連続で無得点に終わった。打撃陣が苦しむ今こそ、エースの役割が期待される右腕が奮起したかった。

 誰よりも期待する栗山監督は「勝たせてあげられないのは、オレの責任」と、多くは語らなかった。この日はプロ4年目で初の2桁となる12奪三振。有原は「いくら三振を取ってもチームが勝たないと意味がない」と話した。則本に負けない力量はある。求められている役割も理解している。次のマウンドで、その姿を見せたい。【木下大輔】