ほろ苦いデビューとなった。プロ初先発した阪神高卒2年目の19歳才木が、5回5失点でプロ初黒星を喫した。「3人で切れた回がなかった。毎回ずっと打たれてピンチを作って、攻撃に流れを持ってくることができなかった。そこが反省点です」。松坂に2安打を許すなど毎回の12安打を浴び、序盤で中日に主導権を渡してしまった。

 収穫もあった。「変化球の高さ、コースを間違えないこと。フォークで三振を取れたのはよかったと思う」。金本監督も「ある程度ストライクゾーンから、膝あたりから落ちるやつは振ってたようには思えた」と一定の評価を与えた。

 1軍マウンドでしか味わえない空気も感じた。「松坂さんの投球を見て、テンポがすごくいいなと感じた。そういうところが攻撃のリズムにつながってくる。いいなと思ったところは、取り入れたいなと思う」。投げ合った18歳上のレジェンドから、貪欲に吸収した。

 118球を要したが、夢にまで見た舞台で必死にもがいた。「寝る前に(初勝利の)イメトレは欠かさずにしてました。寝ながら考えてる時もあったぐらいです」。この日の教訓を力に変え、次回こそプロ初勝利をつかみたい。【真柴健】