パ・リーグの6月から目が離せない。4月に強烈な開幕ダッシュを決めた西武が5月に入り失速。Bクラスのオリックス、ロッテが健闘し、首位から5位までのゲーム差が近年になく圧縮されている。5月に何が起こり、6月をどう戦うのか。担当記者が分析した。

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 我慢の采配が続く。サファテ、岩崎と8、9回を任せる投手不在で迎えたソフトバンクの5月の戦いは、さらなる故障者を出しながらも14勝12敗で乗り切った。「貯金をつくった状態で終われてよかった」と、工藤監督は胸に手をやり、フゥ~と息をついた。

 25日楽天戦で右肩機能不全の症状となった東浜も抹消となった。昨季16勝も今季は1勝5敗。故障者続出の中で責任感の強い右腕は投げ続けたが、5月は4戦0勝2敗と勝てなかった。左肩痛の和田は復帰のメドが立たない。開幕投手の千賀も右上腕部の張りで先発を1度飛ばすなど不安定な状態が続く。そんな中、かつてのエース摂津、本来中継ぎの岡本を先発にして白星を拾った。森、モイネロが中心の救援陣も登板が増える中、何とかしのいだ。

 9日に通算2000安打を放った4番内川は15日楽天戦で左くるぶしに自打球を当て離脱。5番デスパイネ、6番松田は本塁打は出るが、打率が2割1分前後と不振。好調の柳田、中村晃頼みの状態だ。今宮も右肘関節炎で欠場。レギュラー陣の年齢も高くなってきている。工藤監督は細かく途中交代などさせ、これ以上のケガ人をださないよう戦っている。【石橋隆雄】