ヤクルトが延長10回サヨナラ勝ちで7連勝、「日本生命セ・パ交流戦」の首位に立ち、セ・リーグ3位に躍り出た。雄平の2本塁打に、敗戦濃厚の9回にはバレンティンの同点ソロ。最後は、再び雄平が押し出し四球を選んだ。小川淳司監督(60)が長く指導する選手たちが勝利への執念を体現。交流戦を追い風に一気に混セを演出する。

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 小川監督が前回監督に就任した11年、ヤクルトは安定した投手力を軸に4月から9月まで1度も首位を譲らなかった。10月に中日に抜かれ2位になったが、館山、石川の2枚看板に由規、村中、増渕、赤川、七條といった若手も伸び盛り。打線では2軍監督時代から育てた畠山が23本塁打とブレークするなど「強いチーム」として勝ちを重ねた。

 再び監督に就任した今季、先発投手を含めた投手陣の頭数に苦しみ、交流戦に入る直前まで借金9で最下位に沈んでいた。それが交流戦に入るとチーム防御率は12球団唯一の2点台となる2・59をマーク。投手陣の踏ん張りが連勝を支える大きな要因だが、シーズン前から小川監督が掲げた1点にこだわる野球も浸透してきているように見える。

 犠打数は12球団トップの54。昨年まではシニアディレクター(SD)として試合を見つめ「結果論かもしれないが1つのプレー、1球に対する執念が足りないかなとも感じた」。内野ゴロ、押し出しでも1点を奪う姿勢、「意味のある凡打」を求めた。勝っても負けても本拠地のナイター前には正午から宮本ヘッドコーチ、石井、宮出打撃コーチとともに選手たちは室内練習場で打ち込む。宮本ヘッドは「勝っている時こそ凡事徹底が大事」と引き締める。準備を怠らず試合に臨み、結果につなげている。