阪神金本監督が糸原の1番固定を明言した。「ずっと考えていたこと。今は彼しかいないんじゃないかな」と高い期待感を示した。前日7日に今季初めて1番に起用して、いきなり2安打していた。中止になった8日ロッテ戦も「1番二塁」で名を連ねていた。

 5月に貧打に泣いた打線において「1番問題」は重要テーマだった。開幕1番の高山は不振。その後固定した上本は絶好調のさなか、5月5日に負傷して離脱した。その後は鳥谷、俊介、江越らが務め、同20日からは2番にいた植田を据えた。足を生かして奮闘したが次第に調子を落とし、機能しなくなっていた。

 糸原はチーム2位の打率2割9分1厘と安定感がある。DH制のないセ・リーグ主催の試合では下位から1番へと続く流れはポイントになる。8番梅野が出て、9番投手が送るパターンを想定すると、打てる選手を置きたい。

 金本構想では常に「1番糸原」があったが昨年7試合で打率1割5分4厘となぜかこの打順では持ち味を出せなかった。「そこを懸念していたけど糸原も昨日2本打ったから、これで一安心でしょう」。指揮官はこの日も迷いなくメンバー表の先頭に背番号33を書いた。

 糸原は打順について「やることは変わりません。任されたところで自分の仕事をするだけです」と口元を引き締めた。1番に必須の出塁率も3割8分と申し分なし。新打線の効果が試される9連戦にもなる。【柏原誠】