「日本生命セ・パ交流戦」首位のヤクルトが、ガチンコローテで「山賊打線」封じを狙う。今日12日からは敵地に乗り込み、2位タイ西武との3連戦。得点(72)と本塁打(17)で12球団1位の強力打線を抑えるべく、ローテーションを再編。石川雅規投手(38)を先陣に、安定感のあるデービッド・ブキャナン投手(29)とデーブ・ハフ投手(33)を中5日に変更してぶつける。交流戦トップの防御率2・70と絶好調の燕投手陣が、山賊打線の前に立ちはだかる。

 首位攻防の直接対決で、ヤクルトが眼下の敵を一気にたたきにいく。西武3連戦の先発は初戦こそ中6日の石川で順当だが、2戦目からはブキャナンとハフをそれぞれ中5日で投入する。田畑投手コーチは「調子のいい人を、どんどんね」と説明。12球団屈指の強力打線を封じるため、状態のいい投手から、出し惜しみせずにつぎ込む考えだ。

 「山賊打線」のすごさは理解している。得点と本塁打は交流戦トップ。現役時代に近鉄の「猛牛打線」や横浜の「マシンガン打線」と対戦した田畑コーチは「それよりも強烈じゃないの」と苦笑いしつつ、すさまじい破壊力を認めている。 今のヤクルト投手陣の絶好調ぶりも負けていない。交流戦全11試合で6回まで3失点以下と安定し防御率は同1位の2・70。その中でもブキャナンはチームトップタイの5勝で、交流戦は2試合連続7回1失点。ハフは勝ち星こそ1勝ながら、直近5試合で4度も6回以上を投げて2失点以下の投球を見せた。

 先陣を切る石川は「山賊には『日本昔ばなし』で出会ったことはありますけど…」と苦笑いしつつ「チーム状態がいいので流れに乗って、思い切って投げ込みたい」と力を込めた。野手では、死球の影響で4試合連続ベンチスタートの首位打者坂口が、今日から先発復帰する見込み。5カード連続勝ち越し中と上昇気流に乗るヤクルトが「山賊」を蹴散らし、勝率トップの座を確実にする。【浜本卓也】