阪神タイガースの親会社、阪急阪神ホールディングス(HD)の定時株主総会が13日、大阪市北区の梅田芸術劇場で行われ、若手の伸び悩みや期待外れの外国人など、苦戦するチームに質問が集中して批判の的になった。角和夫代表取締役会長グループCEO(69)が「結果を出してもらわないとしょうがないと思います」と就任後初めてチームに要望を出すなど、会場は緊迫感に包まれた。

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 グループ最高責任者の角会長が、ここでチームに「結果」を求めた発言は重い。1年前の株主総会では「もう少しタイガースのことを勉強しなければいけない」といって、自らを「残念ながら知識不足」と評したほどだった。

 関西大手私鉄「阪急」「阪神」が経営統合したのは06年10月1日。ここにきて阪急出身の角会長のトップ発言が変化を帯びたのは、両グループ間の人事交流も含め、区切りとされた「10年」を経過したことが大きいといえる。

 すでに阪急阪神HDは総合職の一括化を実施している。今年4月1日には両社の不動産事業が、阪急阪神不動産として再編されたように、両ブランドはグループ長期ビジョンにのっとって、より強固な組織になった。

 グループ内のエンターテインメント・コミュニケーション事業の中核で、年間300万人を集客する阪神タイガースはグループ内の優良企業だ。角会長は宝塚歌劇とともに、その動員力に強い感心を示しているという。

 グループ総帥として、株主らステークホルダー(利害関係者)にグループ内経営の安定を示す必要性がある。その収益に影響するチームの弱体化は許されないというわけで、少なくとも常にV争いをする展開が求められる。【寺尾博和編集委員】