オリックスT-岡田外野手(30)が3ラン2発で逆転勝ちに導いた。プロ初の1試合6打点だった。

 逆転劇は背番号55の一振りから始まった。初回にいきなり広島鈴木に3ランを打たれたが、2回に3ラン返しで振り出しにした。「少し詰まったが、しっかりと振り切ることができた。早いイニングに追いつくことができてよかった」と好感触をつかんだ。

 これで打線も動き出した。再び2点勝ち越されたが4回、5回で逆転に成功。そして9-5の7回、トドメの8号3ランを右翼席中弾に突き刺した。「内角の直球が“におった”。頭にあったので、うまく反応できました」とアーチストの本能を働かせ、体を回して放り込んだ。福良監督も「自然にバットが出た感じ。うまく打った」と復調を感じ取る一撃だった。

 調子は落ちていた。打撃練習でも試行錯誤し、11日は休日返上で打ち込みも行った。「打てないと試合に出られないので毎日本当に必死です」。

 6月は打線全体が湿っていた。3点までしか奪えない試合が続いたが、この3試合は5点、4点ときて、一気に今季最多の12点。日替わり打線で首脳陣も苦労しているが、長打力のあるT-岡田が調子を上げれば、得点力は劇的に上がる。2本とも大きかったと強調した福良監督は「あそことロメロが調子を上げてくれたら、今日みたいにつながりができるからね」とキーマンの復活を期待した。【柏原誠】