広島が「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦に完敗し、今季2度目の同一カード3連敗を喫した。首位ながら歯車がかみ合わないチームを鼓舞するように、松山竜平外野手(32)と新井貴浩内野手(41)が2者連続アーチを放った。今日15日からは福岡に移ってソフトバンク3連戦。今季は負け越している敵地での厳しい戦いが続くが、何とか流れを呼び込みたい。

 広島打線は6回まで得点圏に3度進めながら、ゼロ行進が続いた。反撃が始まったのは7回だ。まずは先頭の松山が4試合ぶりの6号ソロ。金子から10球目のチェンジアップを、押し込むようにバックスクリーン右まで届けた。

 「浮いてきた球をしっかりとらえることができた。チームに勢いをつけたかった。手ごたえはまあまあ。まさか入るとは思わなかった」。京セラドーム大阪では4年ぶりの「アンパンチ」。多くのカープファンが盛り上がった。

 交流戦はチームトップの4発目。打率もここまで3割5分4厘と高い。昨年も同期間3割4分9厘をマークしていた“交流戦男”らしい打撃が続いている。

 そして新井も続いた。今度は初球のスライダーを気持ちよく振り抜いた。左翼席へ一直線の3号ソロだ。「(金子は)コントロールが良かった。3打席目はどんどん積極的にいこうと思った」。それまでの2打席は第1ストライクを見逃して凡退。修正して2者連発につなげた。これで3点差に詰め寄った。

 ただベテラン勢の執念も実らず、得点はこの2発のみ。終盤に引き離された。昨年まで9連勝中だったお得意様に3連敗し、4月の中日3連戦に続く同一カード3連敗。この3戦で計24失点したように、チーム内の打高投低は明らか。高ヘッドコーチは敗戦後に「点を取られすぎ」と嘆いた。

 緒方監督も厳しい顔。「また試合は続くんで、しっかり切り替えて我々の野球をやるだけ」と言葉少なに帰りのバスに乗り込んだ。ホームでは勝率7割超を誇るが、ビジターでは5つ負け越しと波に乗れない。今日15日からも敵地福岡での3連戦。2位ヤクルトに4・5ゲーム差に詰め寄られた。交流戦も残り4試合。「厳しいけど、根性を入れて全部取れるように頑張る」と松山。シーズンも中盤に差し掛かり、踏ん張りどころだ。【大池和幸】