阪神金本知憲監督(50)が20日、「超速練習大作戦」で疲労軽減を図った。「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦(甲子園)が、午後1時半に雨天中止が決まると福留らベテランに早々の帰宅を促した。室内練習場での練習には鳥谷、糸井、糸原の姿もなかった。普段行う午後1時からの早出特打を通常練習に変更し、2時過ぎには若手の大半もクラブハウスへ。早い選手は60分ほどで引き揚げていくなど、いつもなら練習が本格化する時間には終了する異例の時短だった。

 金本監督は「つらい移動もありましたから」と説明。疲れ対策か問われると「それを回避できた。(天気)予報が悪いわ。体調重視、体調重視」と話した。早々に練習を終えたのは理由がある。6月はこれまで3度、雨天中止の憂き目に遭った。もちろん、その日も汗を流した。災難だったのは18日だ。大阪を震度6弱の地震が襲い、大半のナインは仙台空港で身動きが取れず。帰阪が約2時間遅れるトラブルに見舞われた。

 天変地異の影響もあり、野手陣が完全休養日を確保できたのは6月4日が最後。今月下旬以降、7月中旬の球宴休みまで、関東遠征6連戦や9連戦が待ち構えている。この日の中止で移動日も含めれば地獄の「38連勤」が決まった。チームは借金3を背負う踏ん張りどころ。指揮官がメリハリを利かせて、つかの間の「オアシス」を作った。

 休んで英気を養い、今日21日の交流戦最終戦で仕切り直す。今季は雨天中止の次戦で8戦8勝の好データがあり、継続に期待だ。息つく間もなく、22日から首位広島3連戦に入る。リーグ戦再開で気持ちを切り替える必要もあるが、金本監督は「そこまで心配していないけどね」とサラリ。勝負の夏場を迎える前に、今度こそ、雨降って地を固めたい。【酒井俊作】