阪神は先発メッセンジャーが頭脳的な投球で8回を投げ無失点、9勝目を挙げチームを5位に押し上げた。3点リードの8回2死一、三塁でDeNAの打者は怖い宮崎。フルカウントからの6球目に、宮崎に対して1球も投じていなかったカーブを選択した。低めに制御し空振り三振とし「あまりカーブを使っていなかったけど、絶対にいいボールになると信じて。いいボールで三振をとれて、最高の気持ちです」。腹の底からほえて、グラブを激しくたたいた。

 カーブはメッセンジャーの代名詞だ。カウント球にもウイニングショットにもなる。だが、この試合は8回のピンチまで8球しか使わずに温存。ロースコアだからこそクレバーさが光った。金本監督は「よく最後の最後でカーブを選択した。頭にない球を選んだのかなと。そこに投げ込んだメッセも。あれは見事でしたね」。チームの土台が揺らがないから、ファイティングポーズを崩さずに戦える。【池本泰尚】