2年目の広島高橋昂也投手が、うれしいプロ初勝利を挙げた。球界を代表するエース巨人菅野との投げ合いで6回3安打2失点の好投だった。145キロ超の伸びのあるストレートを見せ球にフォーク、スライダーを効果的に使って7奪三振。先発3試合目で待望の白星をつかみ取った。

 巨人阿部が三振に倒れ勝利が決まるとポーカーフェイスの高橋昂也から白い歯がこぼれた。お立ち台に打のヒーロー野間と上がった左腕はウイニングボールを左手にしっかり握りしめた。「最高です。興奮しています。ファンの声援が力になって勝つことができました。(菅野との投げ合い)とにかくいい投球をすることだけ考えたので、いい結果が出たと思います。いろんな方に感謝したい。(両親へのメッセージは)後で送ります」とはにかんだ。

 圧巻は1点ビハインドで迎えた3回だ。先頭の1番坂本勇人をフォークで空振り三振。続く陽岱鋼もスライダーでバットを空に切らせた。マギーもフォークで料理すると3者連続三振で波に乗った。

 プロ初黒星を喫した6月2日の交流戦ではロッテ打線につかまり4回途中4失点で屈辱の2軍降格も味わった。この日は失敗を糧に粘り強く投げ抜いて菅野との試合でチームに6連勝をもたらした。3回には菅野からプロ初安打となる中前安打もマークし初もの尽くしの1日となった。

 2016年秋のドラフト会議で2位指名を受け広島入り。昨年はじっくりファームで腕を磨き、着実にプロの実力を身につけてきた。今年で100回大会を迎える夏の高校野球は地方大会が熱戦が繰り広げられている。高橋昂也も甲子園で活躍した16年の夏を思い出すように大きな1勝となった。