巨人が、エース菅野が悪夢の敗戦を突きつけられた。本調子でない右腕は、4回まで毎回得点圏に走者を置く。こらえていたが5回に崩れた。1死から菊池に低めのフォークを拾われてソロ弾。丸に四球を与え、2死後も松山にカウント優位から歩かせ、この日4四死球目で危機を招く。そして野間に1-2から内角甘めのスライダーを右翼席へ高々と逆転3ランを運ばれた。初戦、2戦目と初回に4失点の悪夢を見たが、エースも中盤に1イニングで4点を献上した。1イニング2被弾はプロ2度目のレアな、だが現実だった。

 「内角を待ってるかと思ったが、1-2だったから2-2でもいい。その中で投げきれなかったのは僕の意識が低い。実力不足だと思う」。菅野は局面を反省の言葉で振り返った。2戦連続で本来の姿ではなかった。球数がかさみ、5回で113球。フォークの落差がなく、打者に見極められ、直球の制御にも苦しんだ。スライダーへの依存度が高まり、好調赤ヘル打線に狙われた。

 もう王者の背中がかすみつつある。エースでプロ未勝利だった高橋昂に敗れ、鬼門マツダスタジアムで9連敗。試合後、緊急ミーティングを行った。村田ヘッドコーチは「淡々とするのは、やめよう。残り73試合ある」と呼び掛けた。交流戦を終え、首位広島と4・5ゲーム差も、わずか1週間で8・5ゲーム差と拡大。4位に落ち、危険水域だ。

 高橋監督は「対広島は次の対戦で考えないといけないが、明日は広島とやるわけじゃない。気持ちを切り替えて」と自軍へのメッセージのように言葉を残した。【広重竜太郎】

 ▼巨人はマツダスタジアムで今季5戦5敗。巨人が広島戦の敵地で開幕から5連敗したのは初めて。これまでは68年広島市民球場(△●●●●)、12年マツダスタジアム(●●●●)の各4連敗が最多だった。同球場では昨年8月12日から通算9連敗。52年のフランチャイズ制後、巨人の同一球場9連敗は71、72年の中日球場(連続シーズン)、10年ナゴヤドーム(同一シーズン)の各9連敗に並ぶ球団史上最多。