巨人先発のテイラー・ヤングマン投手(28)が8回3安打無失点の好投で来日初勝利をマークした。来日初登板初勝利は、球団では14年セドン以来。

 立ち上がりからテンポよくストライクゾーンへ投げ込んだ。踏み出す左足が三塁側へ大きくクロスする独特の投法で中日打線を翻弄(ほんろう)。最速147キロの直球と、198センチの長身から投げ下ろされる斜めに鋭く割れるカーブを軸に、13個のゴロアウトを奪った。ピンチは連続四球で招いた4回2死一、二塁だけ。京田を見逃し三振に仕留め、難なく失点は防いだ。三塁を踏ませず、8回105球の快投だった。

 「緊張より興奮が上回った。序盤はカーブの制球に苦しんだが、途中から修正できてよかった。打線の援護や味方の守備にも助けられ勝つことができた」と謙虚に喜んだ。

 外国人枠の関係もあり、オープン戦途中から2軍暮らしが続いた。それでも、イースタン・リーグで12試合に登板し、リーグトップの7勝、防御率1・43と結果を残し続けた。「振り返れば2軍スタートも役に立った。コーチや選手から日本のスタイルを勉強できた」と地道な努力が実を結び、カミネロ、ゲレーロの2軍調整で回ってきたチャンスをがっちりつかんだ。

 ウイニングボールはメジャー初勝利時と同じく、透明ケースに入れて自宅で保管する予定。ヒーローインタビューの終わりに「GOジャイアンツ!」と照れながらも叫んだ助っ人右腕が、チームの憂うつを吹き飛ばした。