同期のライバルがそろった大舞台でも、主役の座は譲らなかった。「フレッシュオールスターゲーム2018」に全イの「3番DH」で出場した日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が4回の第2打席、右翼ポール際へ豪快な1発をたたき込んだ。第1打席は空振りの三振に倒れたが、前半戦にイースタン・リーグで最多の15本塁打をマークした実力を発揮し、優秀選手賞に輝いた。

 津軽の夜空に、期待通りアーチをかけた。清宮が、0-2の4回、1点差に追い上げる1発を右翼ポール際へぶち込んだ。柔らかいスイングで、全ウの中日藤嶋のカーブを捉えた。「バットの先だったので、入ってくれという感じでした。まさか打てるとは思っていなかったので、自分でもびっくり」。1回の第1打席は変化球に空振り三振していただけに、変化球打ちに大喜び。同僚の郡と一緒に“キヨダンス”を踊り全イのベンチを盛り上げた。

 全イの中軸は、3人合わせて高校通算228発を誇る“高卒ドラ1トリオ”が担った。試合前のフリー打撃では、25スイングで10本の柵越えを披露した4番ヤクルト村上や、場外弾2本を見せたロッテ安田の姿に「みんな、すごかった」と感嘆するとともに「負けられないなと思った」。イースタン・リーグで高卒新人として史上最速ペースでアーチを量産している清宮の目から見ても、規格外に映る2人のライバルに、負けん気をくすぐられたか。7月に入って打撃不振だったのが、ウソのよう。「これからもお互いに高め合って、次はオールスターでクリーンアップを打てたらと思います」と、将来的な目標を口にした。

 チームが敗れたため、MVPには届かなかったものの、全イ唯一の得点をマークして優秀選手賞をゲットした。「もう1本、打てたら(MVPも)いけるかなと思いましたけど」と苦笑いしながら、誇らしげに賞金50万円のボードを頭上に掲げた。「スター選手の登竜門」で輝いた背番号21は「ここで賞を取ったから一流になれるという保証があるわけじゃないので、気を緩めずにやっていきたい。ジンクスが受け継がれるように頑張れたら」と、1軍での活躍を期した。【中島宙恵】

 ▼全イは3番清宮、4番村上、5番安田がスタメン。63年から始まったフレッシュオールスターで、高卒新人がクリーンアップトリオを組んだのは初めて。