後半戦こそ、フル回転だ。日本ハム有原航平投手(25)が今日16日オリックス戦(京セラドーム大阪)に先発する。後半戦の“開幕投手”に指名された右腕は15日、チームとともに空路で大阪入りした。2軍落ちや守護神への配置転換も経験するなど、波に乗れなかった前半戦の借りを返すべく、まずは投手陣の先陣を切って2年ぶりのリーグ制覇へ勢いづける。

 リラックスした表情で、内に秘めた闘志を言葉にした。有原の口調は強かった。「前半戦はチームに迷惑をかけた分、後半戦で取り返したいと思います」。今日16日から逆転優勝へのリスタートを切るチームの先陣を任された。「すごく期待してもらっている」と、意気に感じている。あとは、結果で示すだけだ。

 本来の実力を発揮できる状態に戻ってきた。9日ソフトバンク戦(東京ドーム)では約1カ月半ぶりの先発で、7回5安打1失点の内容で5勝目。「抑えをやらせてもらった時に分かったことを生かせている」と、振り返る。強い真っすぐを取り戻すことをテーマに、交流戦期間中は4試合で守護神として登板。気づいたことがあった。「めちゃくちゃ力むのではなく、うまく力を抜いて投げるのが大事」。

 150キロを軽く超える直球が持ち味だが、力みすぎて威力が半減していた。多彩な変化球も生きない負の連鎖で防御率は一時、6・65まで落ちていた。結果が出なかった日々を受け止め、向き合った末にたどり着いたのが「脱力」。ムダな力みを排除すると「前より、いい球が行っていると思う」と、投球全体にキレがよみがえった。

 2月の春季キャンプ中には右肩痛を発症するなど、いばらの道を歩んだ日々は終わった。守護神の経験は、プレーヤーとしての幅を広げた貴重な経験となった。チームは64試合を残している。いつでも、どこでも、勝利に貢献する準備は出来ている。「しっかり投げられるように頑張ります」。まずは、後半戦初戦を勝利で飾る。【木下大輔】