「新・巨人キラー」の誕生だ。ヤクルト小川が6回2/3を2失点(自責1)で5勝目を挙げ、16年から続く巨人戦の連勝を6に更新。球団では98~99年に7連勝した川崎憲次郎以来となる相性の良さを発揮した。今季最多の115球を投げ終え「暑かったので何とか気持ちを持ち直して頑張った」と汗を拭った。

 倉敷の地が、気持ちを高ぶらせていた。「巨人キラー」でイメージするのは「闘将」と呼ばれた元中日投手の星野仙一氏。出身地が偶然、6連勝が懸かるマウンドと重なった。「闘志を燃やして投げていたイメージが強い。負けたくない気持ちを出しながら1球、1球を投げられれば」。

 闘志を内に秘め、ストライクゾーンに攻め込んだ。2点差に迫られた6回1死二、三塁から陽岱鋼に左安打を浴びて2者が生還。リクエストで二塁走者の本塁生還がアウトに変更となったが一喜一憂せず呼吸を整え、後続を断った。「このタイミングで(倉敷で)投げさせてもらって勝てていい思い出になった。(巨人戦の好相性を)プラスにしてやれれば」。上位を争う巨人の前に、ライアン小川が立ちはだかる。【浜本卓也】