日本ハム有原航平投手(25)が、1年越しのリベンジを果たした。8回を散発4安打無失点の快投。7勝目を挙げた。昨年7月25日の釧路でのロッテ戦は6回4失点で黒星だったが、この日は付けいる隙を見せず。年に1度の釧路開催で10年ぶり勝利をもたらした。夏本番に向けて、力強さが増してきた。

 降り注ぐ祝福の声に、やっとほおを緩ませた。ヒーローの有原が、ファンに“ざんげ”した。「前回、いいところを見せられなかったので、何とか勝ちたいと思っていました」。苦笑いを浮かべ、温かい拍手を浴びた。強い決意を秘め、ロッテ打線に立ち向かった。完封ペースの8回4安打無失点。「今日は本当に勝てて良かった」と7勝目の喜びを、大興奮の釧路のファンと分かち合った。

 年に1度の釧路開催。昨季も先発を託されたのは、有原だった。相手も同じロッテ。当時は6回4失点で敗戦投手になった。苦い記憶を、快投で塗り替えた。2年越しの雪辱に向け「走者をためると嫌な雰囲気になるので、そこは気を付けていきました」と臨んだ。持ち味の直球は150キロ超を連発し、打線の援護も受けて、圧倒した。

 唯一のピンチは、終盤7回。2死一、二塁で元チームメートの岡を迎えた。「アリペイ」と呼ばれ、かわいがってくれた1歳上の先輩との対戦は「変な感じはありました」。違和感もあったが、気を引き締め直すチャンスになった。「敵なので、しっかり抑えようと思いました」と一層、力がこもった。6球目、スライダーで空振り三振に仕留めた。

 栗山監督は「次、大事なところで完封してくれると思う。大量点を背負いながら、航平はしっかり投げてくれた」と、たたえた。有原は7月9日ソフトバンク戦での先発復帰後、勝敗の付かなかった1試合はあるが、自身3連勝。夏本番を迎えようとしている。【田中彩友美】