巨人岡本和真内野手(22)が「レジェンドへの入り口」に足をかけた。1回2死一塁、中日小笠原から先制2ランを放ち、今季20号に到達。22歳シーズン以下での20本塁打は、長嶋茂雄、王貞治、松井秀喜、坂本勇人に続く球団史上5人目。偉大な先人たちから重責を引き継いだ「第89代4番」は、5打数3安打3打点の堂々の活躍でチームを勝利に導いた。

 鬼門で、扉をこじ開けた。1回2死一塁、岡本が目覚めた。中日小笠原の外角高め直球に反応。こすった当たりはライナーのまま右翼ポール際へと飛び込んだ。ナゴヤドームで4月3日以来、7戦26打席ぶりの安打は節目となる20号2ラン。会心の一撃ではなかったが「自分でもびっくりしました。何とか食らいついていけたのが良かった」と納得の表情で振り返った。

 名打者がしるしてきた道に足を踏み入れた。22歳シーズン以下での20本塁打到達は球団史上5人目、高卒4年目なら同4人目。巨人を支え、引っ張ってきたレジェンドたちの若き日の数字に追いついた。同点の3回1死三塁からはフルカウントから粘り、中前へ一時勝ち越しの適時打。勝負どころでの一打に「チームに貢献できる。一番打ちたいと思っていた」と、勝利を追求する姿は先人たちと重なる。

 1点勝ち越した直後の3回の守備では、1死も取れず3連打を浴び、同点に追いつかれた菅野の元へと駆け寄った。先発野手最年少ながら、マウンドでエースと言葉を交わし、間を取った。「チームが勝つための1本はまだ打てる力がない。だから試合の中でチームが勝つために自分ができることをやりたい」。リーダーとしての素質、振る舞いが身についてきた。

 存在感が日に日に増す。高橋監督も「チームの中心になりつつある」と3安打3打点の若き主砲をたたえた。シーズンはまだ44試合を残している。「試合はまだある。しっかり打てるようにしたい」。勝てば、勝っただけ「第89代4番」の価値が高まる。【島根純】