9月1日から楽天のGM職に就任する石井一久氏(44)が27日、楽天生命パーク内で記者会見を行った。「一久節」は健在。就任の経緯を問われると「東京オリンピックが終わったら仕事を辞めようと思っていました。その中での話なので、しばらくは辞められないと思ったけど」と話し、会場を笑いの渦に包んだ。「一応僕は勝負師なので、自信がなければやらない」と勢いは止まらず、監督やコーチ未経験ながら、GMのポストに座ることについても「経験はないですけど、ある人で失敗する人もいる。僕が心配な方もいらっしゃるかと思いますが、心配があるから楽しみもあると思う」と展開した。

にぎやかな雰囲気の中で「生え抜きのスーパースターを育てることが大事になる」と、再建への幹を強調した。同席した立花球団社長から「ドラフトでいい選手を引くために、来てもらいましたから」と任命されたように、手始めの仕事は10月25日のドラフト会議となりそうだ。

この日のスカウト会議にも出席。地元東北の金足農・吉田の話題になると「素晴らしい投手。秋田から東京に行く前に仙台があるので、立ち寄っていただければ。そのまま通過して東京行っちゃうかもしれないし。何とか仙台で降りていただきたいなと思います。ご縁があれば、ですね」と“ラブコール”を送った。

その肩にかかる期待は大きいが「弱くすることは簡単。強くすることは難しい。ハプニング的な優勝はいらない。立花球団社長には大船に乗ったつもりでいてもらいたい」と最後までスタイルは崩さなかった。【栗田尚樹】

◆石井一久(いしい・かずひさ)1973年(昭48)9月9日、千葉県生まれ。東京学館浦安から91年ドラフト1位でヤクルト入団。ポスティングで02年ドジャース入団。05年にメッツへ移籍し、06年ヤクルト復帰。07年オフにFAで西武移籍。13年引退。日本で143勝103敗1セーブ、日米通算524試合で182勝137敗1セーブ、防御率3・80。97年9月2日横浜戦でノーヒットノーラン達成。00年に最優秀防御率、98、00年に最多奪三振のタイトルを獲得。98年のシーズン奪三振率11・05はプロ野球記録。日本一を5度経験。家族はフリーアナウンサーの彩子夫人と1男。