主将の1発で試合を決めた。日本ハム中田翔内野手(29)が、オリックス18回戦(宮崎)の8回、左翼スタンドへ豪快なダメ押し24号2ランを放った。宮崎入りした前日27日には、シーズン中では異例となる全選手、スタッフが参加の決起集会が行われた。音頭を取った中島選手会長の補佐役として計画に携わったキャプテンが、バットでもチームを引っ張った。引き分けを挟んでの3連勝で、2位ソフトバンクとはゲーム差なしとなった。

中田が宮崎の夜空に豪快な花火を打ち上げた。2点リードの8回2死一塁。オリックス4番手近藤の高め直球を完璧に捉えた。きれいな放物線は左翼スタンドへ。「(感触は)よかったですね。ロドリゲスが頑張ってたんでよかった」。苦しんできた新外国人の来日初勝利を援護する、豪快な1発だった。

チームを勝たせる、これがキャプテンの仕事だ。1回1死一、三塁の好機では、貴重な先制中犠飛。犠飛数は両リーグトップの10本目となった。チーム打撃で流れを呼び込み、勝負どころでは持ち前の長打力で“ガツン”。栗山監督も「あの翔のホームランは本当に大きかった」とたたえた。

移動日にもキャプテンの存在感は光った。宮崎入りした前日27日には、シーズン中では異例となる、選手、スタッフが全員参加の決起集会が行われた。中田は「タク(中島)と話してやろうかとなった」。選手会長と主将が中心となり、宮崎市内の焼き肉店で宮崎牛などを食べて英気を養った。締めのあいさつは「守護神だから」と浦野が“むちゃ振り”されたが、見事にこなし、逆転優勝へラストスパートをはかるチームの団結力は深まった。

中田自身もタイトル獲得が見えている。この日の3打点で、2年ぶりの100打点まであと「7」。昨年は、不振の影響もあり打点は67で途絶えた。「そんなのはどうでもいいんでね、チームが勝つことだけを考える」。残り29試合。逆転優勝へ向け、首位西武を必死に追いかける。キャプテン中田の1発がカギを握る。【山崎純一】

▼中田が初めて公式戦をプレーした宮崎で本塁打を放った。通算201本塁打のうち、本拠地・札幌ドームがもっとも多く70本。東京ドームが19本、楽天生命パークが18本、ヤフオクドームが16本、ZOZOマリンが15本と続く。この日と同じ地方開催では、帯広で7本塁打を放っている。