虎が鯉を止めた。7連勝中だった首位広島との一戦で、阪神が10安打11点で快勝。大山が1回に4月7日以来の本塁打となる3号3ラン。1点を先制し、なお2死二、三塁で、九里の低めに落ちる球をすくい上げ、左越えに運んだ。広島戦を苦手としていた先発の岩貞を強力援護。若虎の活躍で敵地マツダスタジアムで大きな勝利をもぎ取った。

大山に待望の1発。

「3ランなんて久しぶりじゃない? ホントね。本塁打自体、あまり出ないチームなのでね。先制パンチとしては大きかったですね」。

広島新井から現役引退の正式報告を受けた。

「もう少し、プレーヤーとしてできる体力は、まだあると思う。ちょっと、もったいないなというのが本音ですね。引き際というのはみんな、それぞれ違う。彼なりの決意した引き際だったのでしょうね」。

敵将として接した3年間。

「敵として、嫌なバッター。カープに戻ってから、すごくいい場面で打つようになって腹が立つ思いもしました。野球に対する姿勢というか、常にベンチで若い選手がやりやすい雰囲気を作ったり、勝ったときの喜び方、全力プレーや全力疾走をこの年になっても続けていた。残した数字以上にそういう姿勢がいまのカープを強くしたんじゃないかなと。そういう貢献度は本当、大いにあると思う」。

阪神では4番として新井の心根に触れた。

「彼が3番のときに、しきりに僕につなごうと。四球を選んだり、何とか右方向に単打を打ったり。いい意味でのプレッシャーで」。

「心のなかでは、よく頑張っているなとずっと思っていた。本当に彼の明るさ、キャラクターが、今のカープの強さの根底にあると思っています」。

金本知憲監督の一問一答は以下の通り。

-広島に強い勝ち方ができた

いつもやられている勝ち方が久々にできた。昨日、負けはしたけど選手の試合に対する気持ちだとか、執念が見えた。今日は何となく昨日のつながりでいい試合できるんじゃないかと思っていました。

-相手は右投手だが大山を先発に起用

調子もあるし、守りの面でもあります。期待に応えてくれました。

-岩貞が初めて広島に勝った

そうですね。投げ方を覚えたのか、軽く投げているように、力みなく見えました。打たれた2本も低めをね。打った相手を褒めないといけない高さだと思う。2本の本塁打に関しては、僕は何も思わないし。