「赤星2世」に照準!! 阪神が、今秋ドラフトの指名候補として日大・長沢吉貴外野手(4年=佐野日大)をリストアップしていることが18日、分かった。球団関係者が「赤星氏より上」と評価し、阪神で5年連続盗塁王の赤星憲広氏(42=野球評論家)になぞらえるほどの脚力で、巧打も光る。今季は中谷、高山ら若手外野手が精彩を欠き、新たな俊足外野手の指名も検討する。

阪神が新たな俊足外野手をターゲットにしていることが判明した。ドラフト会議まで1カ月余りとなった18日は東都大学野球2部が行われている埼玉・上尾に吉野スカウトを派遣。日大・長沢が青学大戦の打席に立つと熱視線を送った。8回に変化球を軽打して、左前へ。塁上に立ってもビデオカメラで撮影し続けた。けん制をかいくぐって軽々二盗。投手の暴投を誘い、1人で三塁まで達した。

巧打が売りの左打者で最大の武器は大学球界トップの快足だ。50メートル5秒7を誇り、同大学OBの阪神和田テクニカルアドバイザーは6月中旬の公式戦を視察。球団関係者も「足がめちゃくちゃ速い。ウチにいた赤星氏よりも速いという評価もあります」と舌を巻いた。

元阪神の赤星憲広氏は01年から5年連続盗塁王に輝き、球団最多の381盗塁を誇る。誰もが驚く脚力自慢の「赤星2世」は魅力的な逸材だろう。日大では2学年上の京田(中日)の背中を追った。自主練習でコンビを組み、打撃で足の上げ方を真似されるなど、先輩に一目置かれるセンスも備える。今後も秋季リーグのプレーを注視し、見極める。

金本監督は「足の速い選手が2人くらいスタメンにいれば本当に面白い」と理想を口にする。今季のチーム65盗塁はリーグ3位。昨秋の熊谷、島田に続き、スプリンター補強を検討する。大阪ガス・近本光司外野手(23=関学大)も候補に浮上。7月の都市対抗は最優秀選手に相当する橋戸賞に輝き、評価は急上昇だ。大学日本代表常連の立命大・辰己涼介外野手(4年=社)らも注目していく。

◆長沢吉貴(ながさわ・よしたか)1996年(平8)11月15日、栃木県生まれ。上三川町立明治小、同明治中から佐野日大に進学し、現オリックス田嶋らと甲子園に出場。日大3年の17年はユニバーシアード日本代表。172センチ、62キロ。右投げ左打ち。