ドラフト1位候補で最速152キロ右腕の東洋大・上茶谷大河投手(4年=京都学園)が、中大を4安打1四球で完封した。ロッテ、阪神など9球団26人のスカウトらが集結。奪三振のリーグ記録を持つ「ドクターK」が打たせて取る投球を見せ、4-0で先勝した。

「ニュー上茶谷」だ。最後の打者を143キロの直球で見逃し三振に切り、スコアボードに0を9個並べた。「調子が悪い中で野手に助けられて完封できたのは良かった」。今秋本格的に使い始めたカットボールを有効的に使い、4安打1四球で完封した。

三振はわずか5つ。今春、東都リーグで20奪三振の新記録を樹立した「ドクターK」はこの日、打たせて取った。最速は147キロも、直球に手応えが感じられず「直球も変化も低めに集めた。内野ゴロが結構多かったのが良かった」と15の内野ゴロを重ね、自身2度目の完封をやってのけた。

試合のない日は、6勝した春の試合VTRを何度も見て試行錯誤している。DeNA吉田スカウト部長は「足の上げ方などを考えているのが分かる。前回とは違うし、良い時に戻りつつある。ドラフトの目玉に変わりはないよ」と、エースとしての姿を評価した。

杉本泰彦監督(59)も「上茶谷は真っすぐが来ていなくてブルペンは最悪だったが、自分で修正ポイントが分かる。監督いらずですよ」と冗談を交えながらほめたたえた。エースは4連覇へ向け、チームを引っ張り続ける。【和田美保】