広島が3年連続9度目のリーグ優勝を決めた。広島の3連覇は初めてで、3連覇以上は12~14年巨人以来5球団、14度目。黄金時代の到来を告げる広島の強さを、データで検証した。

セ・リーグで3連覇に挑戦したのは11度目だったが、これまで達成したのは巨人しかなく、巨人以外は81年広島2位、94年ヤクルト4位、12年中日2位。巨人以外の球団では初のセ・リーグ3連覇となった。今年は4月に2位が8日間あるだけで、それ以外は1位。1位以外の日数が10日未満、3位以下なしのVは、ともに球団史上初めてだ。

今年も本拠地で強かった。マツダスタジアムの貯金は16年29→17年28→18年20。今年は本拠地以外の貯金が3しかなかった。52年のフランチャイズ制後、セ・リーグで3年続けて本拠地球場の貯金が20以上は、過去に65~67年後楽園球場の巨人と10~12年ナゴヤドームの中日だけ。広島が今年達成すれば3度目だ。今年は交流戦で負け越したが、セ・リーグ相手には高勝率。特に、上位球団との対戦に強く、広島が2位の時は1位球団に2勝0敗、1位の時は2位球団に23勝3敗1分け、勝率8割8分5厘だった。眼下の敵を直接たたいて差を広げ、2位とは現在9・5ゲーム差。16年の17・5差、17年の10差に続き、今年も大差をつけた。巨人が65年から13差→13差→12差で3連覇したが、3年連続9・5差以上は65~67年巨人しかやっていない。

3連覇を支えたのが3年連続リーグ最多得点の打線。本塁打と盗塁も3年連続1位で、本塁打は過去2年の本数を上回った。肩書付きの殊勲本塁打が57本→63本→67本と、貴重な1発も年々増えた。3年連続で得点、本塁打、盗塁が1位ならば史上初で、自慢の長打力と機動力にセ・リーグ歴代2位の560四球を絡めて得点した。攻撃陣の中心は丸と鈴木。2人は打点が多く、丸が90→92→95、鈴木は95→90→91。3年連続90打点以上のコンビは、巨人の48~50年川上と青田、68~70年王と長嶋、08~10年小笠原とラミレスに次いで史上4組目だ。

65~67年に本拠地で貯金を20以上稼ぎ、大差をつけて3連覇した巨人は、その後9連覇まで伸ばした。丸と鈴木がON級の働きをし、65~67年巨人同様の強さを見せた広島の連覇は、まだ続くかもしれない。【伊藤友一】