阪神は26日、14連戦初戦だったDeNA22回戦(甲子園)が雨天中止になり、球界20年ぶりのダブルヘッダー開催の可能性が浮上した。日本野球機構(NPB)が球団側に開催の可否を打診。観客の入れ替えの難しさなどから難色を示してきたが、さらなる中止試合の発生も想定して、検討することになりそうだ。CS進出チームは10月11日終了時点の順位で決まる。5位からの逆転Aクラスへ、さらなる過密日程も恐怖だ。

雨雨雨…。また恨めしい傘マークだ。DeNA戦の練習が始まる午後2時前から雨が降り始め、甲子園室内練習場での練習を強いられた。午後3時55分に天候不良で中止決定。球団史上最長の14連戦に臨むはずが初戦から水を差された。過密日程に追い打ちをかける今季19度目の中止だ。谷本球団副社長兼球団本部長は悩ましげに言う。

「(NPBから球団に)ダブルヘッダーの打診があったみたいですね。ちょっと考えないといけない。長い間やっていないし、相手も分からない。できるか、定かではありませんが…」

雨天中止による日程追加が相次ぎ、すでに10月9日巨人戦(甲子園)まで試合が組まれている。規定により、CS進出はファーストステージ開幕2日前の上位3チーム。同11日終了時点の順位で決まる。この日、中止になったDeNA戦は10日開催が濃厚だが、今後の天候も不安が募る。同副社長が「台風が来ますから…」と話すように、台風24号が今週末から週明けにかけて上陸する恐れがある。

1日は甲子園でDeNA戦を控える。CS決定の対象で試合がないのは現時点で10、11日だけ。さらに中止が重なれば2日で3試合強行の緊急事態も想定しうる。そのため、NPBは阪神にダブルヘッダーの開催可否を確認したとみられる。球団はこれまでもNPBに短時間での観客の入れ替えなどを踏まえ、開催は難しい見方を示してきた。この日も同副社長は「アグリーメントも20分以内に(2戦目を)やるとなっているが(例えば)チームが替わって、応援団が替わって、20分でやるのはしんどいと思う」と話した。だが、3位に入りたい…。下位に沈んでおり、1勝でも多く積み上げないといけない現実がある。天候次第では、苦渋の決断を迫られそうだ。

開催なら球史に刻む一戦になる。ダブルヘッダーは98年10月10日の横浜-中日(横浜)以来、20年ぶり。阪神は93年10月10日広島戦(広島)以来、実に四半世紀の25年ぶりだ。この日、グラウンドは防水シートで覆われておらず、突然の雨を防げなかった。水たまりの甲子園…。終盤戦に入っても、天候不順がCS進出を目指す阪神を悩ませる。【酒井俊作】

<阪神のダブルヘッダー>

◆球団初は80年前 阪神が初めてダブルヘッダーを戦ったのは、38年春のリーグ、5月9日。甲子園で変則ダブルヘッダーを行い、第1試合で巨人に4-2、第2試合では阪急に2-1で連勝している。

◆第1試合でV決定 64年は大洋とのデッドヒートを制し、最大6・5ゲーム差を覆しての逆転優勝。9月30日に甲子園へ中日を迎えてのダブルヘッダー第1試合で、石川緑が完投勝ちを収めVを決めた。余勢を駆って第2試合も勝利で締めた。

◆直近は93年 阪神が最後にダブルヘッダーを戦ったのは、93年10月10日広島戦(広島)。第1試合は新庄の22号3ランなどで6-4と先勝。第2試合も9回まで1点リードしたが、その裏に広島ブラウンに久保がサヨナラ適時打を浴び、6-5で敗れた。