プロ野球が初めてeスポーツに携わった「eBASEBALLパワプロ・プロリーグ2018」の「eドラフト会議」が29日、都内のホテルで行われた。約30の報道各社が集まる中、12球団が3人ずつ合計36人を指名。昨年王者のマエピー(31=本名・前田恭兵)は1巡目でヤクルト、DeNA、日本ハム、楽天が重複し、くじでヤクルト入団が決まった。

巨人杉内、OBの村田氏らがテーブルに着き、本物のドラフト会議と同様な画面。華やいだ雰囲気の中で初のeドラフトが幕を開けた。1巡目は4球団が重複。ドラフト巧者ヤクルトは、中山和哉営業部主事(41)が相馬元社長にあやかり黄金の左手でくじを引いた。「人格的にも優れていると聞いている。本当に当たるとは。興奮しました」。マエピーは「光栄です。ちゃんとプロにならないとと身が引き締まった」と話した。

ゲーム「スプラトゥーン2」の世界王者メンバーで、プロゲーマーのたいじ(27=本名非公表)は巨人に2巡目で指名された。3カ月前からパワプロを再開したばかり。「別ゲームで優勝はなかなかない。出る試合は全勝で、当然日本一を目指したい」と意気込んだ。賞金総額1200万円、ペナントレースは11月10日に開幕する。【斎藤直樹】

◆パワプロ コナミデジタルエンタテインメントの野球ゲームソフト「実況パワフルプロ野球」の略称。94年にスーパーファミコンのソフトで発売開始。その後、ハードを変えながらシリーズ累計で2220万本を売り上げる。スマホアプリでは3700万ダウンロード。「パワプロ2016」は約70万本売れ、現在は購入者の8割程度がオンラインに接続している。

<パワプロ・プロリーグ>

◆日程 eペナントレース(11月10日~12月9日)はセ、パに分かれ総当たりのリーグ戦を行う。1つの対戦カードは両チーム3人ずつによる3ゲーム。全5カード計15ゲームの勝率で順位決定。eリーグ代表決定戦(12月12日)はペナントレースの2、3位がファーストステージ(S)で対戦し、その勝者と1位がファイナルSで対戦。代表決定戦の優勝チームがe日本シリーズ(来年1月12日)に進出する。

◆チーム 参加チームは3人の競技者と1人の管理者で構成。競技者はeドラフト会議で指名される。

◆試合環境 ソフトはPlayStation(R)4版「実況パワフルプロ野球2018」。各チームは所属球団を使用。試合は規定イニング6回、延長9回まで。DH制はセなし、パあり。

◆表彰・報酬 試合出場で1日1万円、eペナントレース出場で7万円、eリーグ代表決定戦出場で5万円、同ファイナルS出場で13万円、e日本シリーズ出場で38万円、優勝で107万円。e日本シリーズ優勝なら1人177万円を稼げる。個人タイトルの賞金はMVP50万円、打率、本塁打、打点、防御率、奪三振が各15万円。総額は1200万円。