高橋由伸監督(43)の今季限りの退任が決まった巨人が、大接戦のCS争いで大きな勝利を挙げた。試合前まで6勝17敗1分けとカモにされていた広島戦。前日3日に指揮官の辞任が表面化してから初戦だったが、チームは堂々と戦った。

エース菅野が広島打線をリズムよく封じた。打線も5回に岡本の今季97打点目となる適時打で先制。6回に菅野のスクイズで追加点を奪うと、8回に阿部が通算399号となるソロ弾、続く長野が2者連続本塁打を放ち、菅野を援護した。

菅野は最後まで投げきり、9回4安打11奪三振で今季8度目の完封勝利。自身初の200イニング、200奪三振をクリア。広島大瀬良と並ぶ15勝目で最多勝の可能性は、ライバルの次戦最終登板の結果にかかる。菅野は「誰かのために投げようと思ったことはあまりないけど、今日はしっかり監督のために投げようと思いました」と気合十分だった。

高橋監督はエースの活躍に「すごいですね。すごいの一言ですよね。今日これで201イニング? それもそうだし、8完封。言葉がないよね。今の時代としてもすごい? 時代と言っても、僕もちょっとしか知らない(笑い)。今年は数字もそうだけど、200イニングを何とかというところもあったし、内容がよくなければ、そこまで行かない数字だったと思う。最後、きっちり素晴らしいピッチングをしてくれた」と冗舌に賛辞を送った。CS争いで4位DeNAに1ゲーム差。9日の最終戦阪神戦に勝てば、2年ぶりのCS進出に大きく前進する。