ソフトバンクの勝利の方程式が崩れた。同点の8回に加治屋が2点を失い、日本ハムと1勝1敗に持ち込まれた。

加治屋はサインに首を振った。8回2死二塁で打者大田。フルカウントになり7球目だ。選択したのは「今年一番成長できたインコース真っすぐ」。だが真ん中付近に甘く入り、左中間を破る勝ち越し打。続く近藤にも打たれ、2点を失った。「自分を信じていった結果。もっと厳しく行ける場面でもあった。詰めの甘さが出たのかなと思う」。捕手甲斐の要求は、この打席で2度空振りさせていたフォークだった。「冷静になっていれば…。フォークに合っていないのは誰が見てもわかるところ。もっと余裕を持った精神状態でマウンドに上がらないといけない」と、悔しさを込めて振り返った。

工藤監督の信頼は揺るがない。「打たれることもある。ずっと信頼して使ってきた。そこは変わらない」。今日15日も変わらず、勝利のかかった場面ではセットアッパーとして加治屋を起用する。今季リーグ最多72試合に投げた右腕も「コーチ、野手の方からも『切り替えて頼むぞ』と言っていただいた。また明日、絶対リベンジしたい…リベンジします」。静かな口調で言い切った。【山本大地】