10・23に第一声!! 阪神矢野燿大新監督(49)が23日に新体制の“出陣式”を行うことが17日、分かった。今季は17年ぶりの最下位。ナインは激戦の疲れを癒やすべく休日を過ごすが、23日から秋季練習が始まる。若手、ベテランの1軍全選手を招集し、初めての全体ミーティングで新指揮官自ら、方針などを伝える考えだ。逆襲を期すべく、矢野体制が本格的に動きだす。

船出の日が10月23日に決まった。新しい船長に決まった矢野監督が乗組員のナインに大方針を伝える。15日に監督要請を受諾してから、初めて仲間と顔を合わせる。新指揮官は「練習日の時に集まってもらうのは要望を出している」と明かした。

今季は貧打&投手低迷で01年以来、17年ぶりの最下位に沈んだ。11日には来季続投が既定路線だった金本前監督が突然の辞任表明。チームは揺れに揺れた。それでも、来季に向かわなければいけない。新しいコーチ陣の陣容も固まりつつあり、戦う選手たちにも直接「矢野の考え」を伝える機会を設ける。現役時に名コンビを組んだベテラン藤川も「チーム全体としては集合日が来てからということ。とにかく来年に向けてやり返すということ。それが選手の務め」と言う。

今季終了後の14日から22日まで9日間は休暇だ。始動日となる23日は若手からベテランまで、1軍の全選手が一堂に会して、ミーティングを行う予定。「矢野イズム」を伝える、激アツの第一声になりそうだ。前任の金本監督も15年10月、就任後の初顔合わせで「厳しく明るく」の方針を伝達。鳥谷らと個別面談するなど5時間、選手と向き合った。新指揮官にとっても、矢野カラーを披露する機会になる。

今日18日に大阪市内で就任会見が行われ、チームのグランドデザインを指し示す所信表明になる。前日16日には次期オーナーに内定した阪神電鉄・藤原崇起会長(66=球団オーナー代行)が内定会見。「矢野さんも、自分がどういうふうにしたいと考えておられると思います」と船出に備える新指揮官の胸中を推し量った。

青天のへきれきの監督就任を受諾した新指揮官は早くも精力的だ。16日は鳴尾浜に足を運び、国内フリーエージェント権を取得見込みの上本に残留要請を行った。「先の予定は本当にバタバタで。今日終わったら明日どうするねん、みたいなスケジュールになっている」。初体験の1軍監督業。四方八方にアンテナを張り巡らせ、大海原への大航海に備える。

<近年の阪神新監督とナインの初顔合わせ>

◆岡田彰布 03年11月2日、甲子園球場内で全員ミーティング。「星野野球を継続したうえで、若さを出して個々にレベルアップしよう」と語り掛けた。4日には鳴尾浜での秋季練習で「打ってほしい場面で打ってくれる選手が欲しい」と勝負強い打者の登場を待望した。

◆真弓明信 秋季練習中の08年10月29日、鳴尾浜に現れ視察した。スーツ姿のまま、選手にはほぼ話し掛けずじっくり観察することに時間を割いた。秋季キャンプ地の高知入りした11月2日に「弱点をさらけ出せ。見たくないところを徹底的にやってもらう」と方向性を明確に示した。

◆和田豊 秋季キャンプのため高知入りした11年11月2日、初ミーティングで「大変」をテーマに設定。「キャンプから帰るころには『大きく変わった』と言われる覚悟を持ってくれ。『大変』という言葉は、大きく変わると書く」と、選手たちに変化と進歩を強く促した。

◆金本知憲 就任後初の全体ミーティングを、15年10月20日に開いた。「厳しくする、でも明るくもする」と所信表明。長らくともに戦った鳥谷を名指しし「お前が変わらないとチームが変わらない。数字も、実績、年齢、年数にしても、もの足りなさすぎる」と厳しく言い渡した。個別とグループでの面談を織り交ぜ、約5時間精力的に動いた。