上位指名候補の立命大・辰己涼介外野手(4年=社)が運命の日を待つ。

ドラフトを翌日に控えた24日、京都市北区の野球部合宿所で「12球団どこでも。野球が好きなので、長く長くやりたい」と目標を掲げた。

2年で大学日本代表入りし、今年は主将も務めた。50メートルを5秒7で走りきる走力、遠投125メートルの強肩という高い身体能力に加え、関西学生野球リーグで関学大・田口壮(現オリックス野手総合兼打撃コーチ)がつくった大学通算安打の連盟記録にあと1本に迫る122本の安打を放った。走攻守でプロからの高い評価を得た。小学1年で野球を始めたときからプロ野球選手1本に将来の目標を絞り、社(やしろ=兵庫)時代も木製バットによる打撃練習を欠かさず、準備を重ねてきた。「一番好きなのはバッティング。狙えるタイトルはすべて狙いたい」と前を向く。

そんな辰己にも、大きな心残りが1つある。7月の日米大学野球での米国遠征で「小さいころから使ってきたタオルケットを、アメリカに忘れてきてしまって。ずっと大事に使い続けて、プロ入りがかなったら寮にも持って行こうと思っていたのに。今頃、どうしているんやろう…」と、旧友を思う目で忘れ物を悔やんだ。そのタオルケットをかぶって眠れば1日の疲れも取れる、愛用品だった。タオルケットとの再会はかないそうにないが、愛用のバット、グラブを手に新天地を目指す。