ドラフト会議でヤクルトに6位で指名された日本文理の150キロ右腕・鈴木裕太投手(18)は26日、指名後の初練習を行った。

一夜明け、「まだ実感がわかない」と話した鈴木はいつも通りにストレッチ、キャッチボール、軽めのランニングで汗を流した。今日27日は3年生同士で行われる引退試合で登板する予定。「おそらく新潟で投げるのはこれが最後です」と区切りのマウンドを楽しみにした。

ヤクルト6位の反響は大きかった。指名後、自身のスマホには無料通信アプリ「LINE(ライン)」などに100件以上のメッセージ。「びっくりしました。まだ半分くらいしか返信していないけど全部返します」と笑う。前日の指名後会見で母ひとみさんに「野球をさせてくれて、ありがとう」と感謝を口にした。帰宅後は父智弘さんに同じ気持ちを伝え、家族で喜びに浸ったという。

ただ余韻はもうない。「プロ入りまでに、何が必要か考えていく」。日本文理の鈴木崇監督(38)は「焦る必要はない。基本から時間をかけて作り、自分の球を生かせるようになればいい」とアドバイスした。鈴木は「新潟の人たちにプレーで恩返しをしたい」と言う。指名の喜びを周囲への感謝に変えて、プロ入りに備える意思を示した。【斎藤慎一郎】