ソフトバンク甲斐が、自慢の強肩で広島の「足」を封じた。0-0の9回裏2死一塁。代打メヒアが四球で出塁し代走上本が告げられた。二盗を許せば一気にサヨナラのピンチとなる場面。田中の4球目にスタートを切った上本に対し、素早いフットワークからの矢のような「ストライク」を送球して刺してみせた。「あのプレーは大きかったね」。盗塁阻止率リーグNO・1のプライドがある。まさに自画自賛のプレーを満足げに振り返った。

試合前「広島の予習はバッチリですよ」と胸を張っていた。打線はもちろん、相手の足も頭に入っていたがしっかり実戦に生かした。甲斐に触発されたのか、延長11回には甲斐に代わった高谷もワンバウンドの難しい投球をうまくさばいて野間の二盗を封じた。今シリーズ、広島の「足技」を封じる意味でも甲斐、高谷の盗塁阻止は価値あるプレーだった。