今年7月、ハワイから一時帰国されていた森祗晶さんに話をうかがう機会に恵まれた。取材時間は決まっておらず、時間の許す限り、だった。

大きなテーマは「なぜ、西武ライオンズは強かったのか」。具体的にお聞きしたいことがたくさんあった。森さんは1つ1つ丁寧に答えてくれた。あっという間に2時間が過ぎ、タイムオーバー。聞き足りない点は後日、国際電話でお聞きした。

驚かせられたのは、30年ほど前のことでも細かく、具体的に覚えておられたことだ。負けた時のことや批判された時のことを語る表情は、いまだに悔しそうだったのも印象的だった。勝負師の執念を感じた。

監督在任9年間で8度のリーグ優勝、6度の日本一。昭和から平成にかけ、文字通り「黄金時代」を築き上げた。なぜ、なし得たのか。連載を通じ、森さんの“思考”をお伝えできればと思う。【古川真弥】