ソフトバンクは29日、敵地広島から福岡に移動した。今日30日からヤフオクドームで行う3試合で、巻き返しを期す。投手練習を見守った工藤監督は「地元に帰ってくると、選手ものびのびできるところはある」と、かみしめるように話した。

本拠地での日本シリーズは11年の7戦目以来、9連勝中と絶対的な強さを誇る。地の利を生かして勝つために、鍵を握るのは捕手の甲斐だ。相手に重圧をかける強肩は“甲斐キャノン”の異名を取り、日本シリーズでもここまで2戦で2度の盗塁企画をすべて刺している。投手陣の奮闘に加え、広島の得意とする機動力攻撃を封じたことで大量得点を許さなかった。

甲斐は「投手もしっかりやってくれているから。投手が頑張ってくれた」と謙遜したが、12球団トップの阻止率(4割4分7厘)は大きな武器になる。盗塁だけでなく、得点源も封じ込む。「1、2番が出ると鈴木誠也がかえして、得点が増える。上位打線はしっかり抑えないといけない」。自分たちの庭で鯉を悠々と泳がせるわけにはいかない。工藤監督は「タイに持ち込めば絶対変わる」と言葉に力を込めた。無敵のわが家で潮目を変える。【山本大地】