ソフトバンクが地の利を生かして逆襲に出る。今日30日から「SMBC日本シリーズ」3試合はヤフオクドームでの開催。広島での2試合を1敗1分けで終えたソフトバンクは、11年第7戦から日本シリーズ9連勝中と無敵を誇る本拠地で流れを変える。キーマンは甲斐拓也捕手(25)。カープ自慢の足と上位打線を封じ込め、勝機を呼ぶ。

また福岡に帰ってこられた。本拠地での試合はCSファーストステージ以来、2週間ぶりだ。広島から移動し、ヤフオクドームでの投手練習を見守った工藤監督は「落ち着いていますよ。地元に帰ってくると、選手ものびのびできるところはある」とかみしめるように話した。

広島での2戦は1敗1分け。ただ、手応えもあった。投手陣の奮闘に加え、広島の得意とする機動力攻撃を封じたことで大量得点を許さなかった。甲斐は初戦では、同点の9回2死、サヨナラの走者だった俊足の代走上本をアウト。2戦目でも鈴木を刺した。「投手もしっかりやってくれているから。投手が頑張ってくれた」と謙遜したが、12球団トップの阻止率はだてじゃない。

工藤監督は2戦目までを踏まえ「リリーフ陣を含めて、全員が150キロ近く、それ以上に投げてくる。打席に立たないとわからない部分もあるし、ビデオとは違う部分もあったんじゃないかと思う」と分析。広島投手陣から得点するのは容易ではなく、1点を争う展開が続きそうだ。甲斐も「いい打線。1、2番が出ると鈴木誠也がかえして、得点が増える。上位打線はしっかり抑えないといけない」と警戒。盗塁阻止だけでなく、タナキクマルら上位をマークし打線をつなげさせるつもりはない。

ホームでの日本シリーズでは絶対的な強さを誇る。しかも工藤監督は就任後、負け知らずだ。セ・リーグの本拠地とは違いDH制もある。普段どおりの戦い慣れた布陣で挑むことができる。「これまでの2試合の反省を踏まえた上で切り替えていく。タイに持ち込めば絶対、変わる」。相手にペースをつかませず、流れを一気に引き戻す。工藤監督が拳を握りしめた。【山本大地】