球界のプリンスを目指せ! 楽天ドラフト8位の富士大・鈴木翔天(そら)投手(22)が6日、岩手県花巻市内の同校で指名あいさつを受けた。富士大を訪れ、鈴木の顔を間近に見た長島哲郎スカウト部長(58)と宮越徹スカウト(40)は、そのイケメンぶりに改めて驚嘆。さらに、野球IQの高さと強心臓ぶりも高く評価した。昨秋には東北3大学リーグ史上初の完全試合を成し遂げた実力派に、大きな期待を寄せた。

学校正門に、楽天スカウト陣を乗せた車が到着。しかし、そこで出迎えるはずだった鈴木の姿はなかった。遅れること約10分、小走りで駆け付けた鈴木は待ち構えていた宮越スカウト、長島スカウト部長を見つけるや否や「11時と聞いていましたが遅れてしまいました。すいません!」。まるで何もなかったかのように、端正なマスクをほころばせながら握手を交わし、強心臓ぶりを見せつけた。

面談を終えた鈴木は「やっとプロに行くんだという実感が湧いた。8位でも(プロに)入ってしまえばみんな同じスタートライン。ここから力をつけて開幕1軍に入れるように頑張りたい」と抱負を語った。

今季は左ひじを痛めて調子を崩したが、楽天が8位指名。昨年から鈴木を見続けてきた宮越スカウトは「完全男」が復調する兆しを感じ取って、自信を持って指名にこぎつけた。

宮越スカウト (ドラフトで)8位まで残るとは思っていなかった。けが明けで調子を崩していた時も、悪いなりに試合を作って、マウンドでは堂々としていた。長いシーズン調子の浮き沈みはある。プロでは、悪い時にどれだけポテンシャルを発揮できるかが大切。何も考えないで投げる投手ではない。頭がいいので1球1球考えながら投げている。男前なところもいいね。活躍すればファンも増えるでしょう。

長島スカウト部長も開口一番「あまりのイケメンぶりに驚いた」とルックスを高評価。「左投手が手薄なので春先からマークしてきた。いい素材で伸びしろもある。東北で暴れてもらいたい」と、みちのくの新プリンスに期待を寄せた。

和田毅、内海哲也、杉内俊哉ら球界を代表する、同じサウスポーに憧れていたという鈴木。「慣れ親しんだ土地で長くプレーできるよう頑張りたい」と活躍を誓った。【下田雄一】