大山よ、「我」を出していけ! 浪速の春団治こと川藤幸三阪神OB会長(69)が8日、高知県・安芸の秋季キャンプを視察した。注目したのは若き4番候補の大山悠輔内野手(23)だ。「イエスマンになるな! 『はい』という言葉は一切言うな」と注文。生え抜き和製大砲が不動の4番となる日を願い、川藤流のゲキを飛ばした。

川藤OB会長は、鋭い眼光で語りだした。

「大山は、まだおとなしい。タイガースの4番は『はい』という言葉は一切使うな、と。なにか言われたときに『僕はこう思います!』という風な言葉を出せるようになったら自分に責任が持てるようになる」

来季4番候補の若武者に厳しい注文を飛ばす。さらに、お手本とすべき選手の名前を出して、続けた。ミスタータイガースこと掛布雅之SEA(63)だ。

「掛布も入ったころはイエスマンよ。そこから経験していくことでたくましくなっていく。自分に責任が出てきて、それを変えていくようにならないと。それがこの世界で生きるっちゅうことや!」

大山には高い期待を抱いているからこそ、言葉もヒートアップする。「アメリカや韓国でどんだけ成績を残したって、現実に今年のロサリオなんか見たらわかるやないか。日本の野球で外国人はあくまでも助っ人という立ち位置でおらんと」。日本一に輝いた85年には最強助っ人ランディ・バースがいたが、4番は掛布だった。理想の4番はやはり和製大砲。その有力候補である大山だけに、求めるものは高い。

そして「プロのチームというのは監督の色じゃない。色は選手が作っていくねん!」と虎ナイン全体にもゲキを飛ばした。一方で矢野監督には「弱いところから強くしようと思ったらハンパなもんじゃない! 相当な覚悟がいったと思う。最下位から立て直すのは。OB会は誰が監督になろうともサポートしていくのが務め。戦力になる選手を作って」とエール。新星矢野阪神を、全力でバックアップしていく。【真柴健】