さあ、超積極野球の本格幕開けだ。阪神は今日11日、矢野燿大監督(49)就任後初試合となる紅白戦を行う。秋季キャンプ地の安芸市営球場で開催。新指揮官は2軍監督だった今季ファームで訴え続けてきた「超積極的」な姿勢をナインに求めた。

「指示待ちではなく自分でどうするかよね。チャレンジをしないことが選手の成長を一番止めると思っている。結果も出た方がいいけど、まずはチャレンジする方をしてほしい」

“初陣”を翌日に控え、自然と口調は熱を帯びた。今回の紅白戦は両チームともノーサイン。その時々の状況に応じて、選手個々がプレーを選択する方式を取る。投手ならば配球に思考を巡らし、打者なら絞る球種、狙う打球方向もおのおのの自由。走者が盗塁を狙うタイミングも、守備位置のチョイスも指示は出されないという。

「投手もどんどん勝負すればいい。2ストライクを取っても遊び球なんか基本的にはいらないと思っている。その上で、こういうところに投げたら打たれるとか、こういう打者はこうなんやというのも分かると思うし。打者も振っていきながら打撃の形を修正できたり、そういう意味でも、いきながら止めるとかね」

失敗してもいい。自分の限界を定めず、前向きに挑戦することでプレーの幅を広げてもらいたい。「自分で考える。その方が野球は楽しいやろ。人にやらされてもオモロないやろ」と新指揮官。今季17年ぶりの最下位に沈んだ虎が、前のめりで逆襲に入る。【佐井陽介】