巨人がオリックスを退団した中島裕之内野手(36)の獲得に乗り出す。秋季キャンプ中の13日、原辰徳監督(60)は「すごく評価している。非常に魅力的な選手。何より、私と相性が良いと、私が勝手にそう思っている」と熱烈ラブコールを送った。

チーム編成を含めた権限を託されている指揮官が意思を表明。今後、中島サイドとの本格的な交渉に入ることは確実で「巨人中島」実現へ大きく前進した。

補強ポイントとも合致する。今季、正一塁手の岡本を来季は三塁で本格起用する構想がある。阿部を捕手に専念させることも決定しており、一塁手が手薄になる。中島は一塁、三塁と複数ポジションを守れる上に、コンディションが整い、コンスタントに出場できれば、3割近くの打率を残せる打撃技術は健在。退団する見通しとなったマギーに代わる右の中長距離打者として、攻守でバランスが取れる。

原監督は今キャンプの実戦練習で「1点リード」の状況を設定するなど「接戦を勝ちきる意識」を徹底的に植え付けている。指揮した09年の第2回WBCでは、当時西武ではクリーンアップだった中島を2番に配置。1番イチローから中軸につなぐ重要なポジションを託した中島を「野球選手として、質の高さ、勝負強さがある」と覇権奪回を目指すチームにとって必要な戦力だと示した。中島はオリックスから今季年俸から野球協約の減額制限(1億円超は40%)を超える金額を提示され自由契約を選んだ。完全復活を期す土俵は原巨人にある。