プロ野球ドラフト会議で楽天から育成2位で指名された山岸ロジスターズの則本佳樹投手(24)が13日、静岡県島田市内で指名あいさつを受け契約交渉を行い、支度金200万円、年俸250万円で契約合意に達した。合意後、初めて同球団のユニホームに袖を通した則本は、プロの世界へ向けた意気込みを改めて語った。

楽天のユニホーム姿となった則本が、決意を新たにした。「3年前に山岸のセレクションを受けた時から、プロへ行く気持ちをずっと持っていました。周囲の期待に応えられるように頑張りたいです」。指名を受けて、走り込みの量を増やしたという。「この2年間、他の(指名された)選手より練習量が少なかったと思うので、兄(昂大)と相談して増やしました」。

元々は力で押すスタイルだった則本だが、近大時代に右肘を手術し、緩急を使って打たせて取るタイプに変身。その姿を長年見続けてきた楽天の山田潤スカウト(47)は「適応力の高さを感じた。兄譲りの気持ちの強さ、練習への姿勢も良かった」と話し、指名した理由を明かした。

会見の様子を見守った山岸ロジスターズの山岸一弥社長(53)も喜んだ。「自分の息子のような存在。1日でも早く1軍に上がれるようになってほしいです」。その一方で、「来月でいなくなってしまうのは寂しいです」と複雑な心境も吐露した。

今月22日に仙台市内で新入団選手発表会が行われ、来年1月初旬に入寮、新人合同自主トレに参加する。本格的にプロ野球選手としての活動が始まるが、則本は「先輩たちの技術を盗んで、楽天の力になれるように頑張りたい」と言葉に力を込めた。【河合萌彦】

◆則本佳樹(のりもと・よしき)1994年(平6)5月14日、滋賀・多賀町出身。北大津(滋賀)3年の12年夏に甲子園大会出場。1回戦の滝川二(兵庫)戦で先発した。近大卒業後の17年に山岸ロジスターズに加入。174センチ、79キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄2人。A型。