青空訓示が19年逆襲のノロシ!! 今季最下位から巻き返しを期す阪神が18日、高知・安芸で行っていた秋季キャンプを終え、矢野燿大新監督(49)が充実の秋を振り返った。18泊19日の集中合宿を「新しい取り組みや、いろいろチャレンジできた。僕がやりたいところと一致していた。すごく、いいキャンプを送れた」と評し、こう続けた。

「みんなでこうやってやっていこうという雰囲気と練習方法をやっていけたのは、すごく良かった。1個1個に集中するというか。今日もすごくいいシートノックやった。そういうのを含めると90点くらいかな」

だが、心は緩めない。練習前、選手の前で3分間の訓示。「来年、ほとんどのポジションが決まってない。ここにきている選手も、もちろん残っている選手も大きな可能性は本当にある。その競争で誰が出てくるかを楽しみにしている」。来年2月の春季キャンプまで2カ月あまりのオフに入る。闘争心をあおった。

いつまでもベテランばかりに頼れない。だからこそ指揮官は強調する。「ランディ(メッセンジャー)を追い越せというかさ。それくらいのチームになっていくとランディだって黙っていない。孝介(福留)だって、トリ(鳥谷)だって、嘉男(糸井)だって、みんなを若いヤツが押し込んで『もういいですよ』というチームになったときに、ベテランも絶対に黙っていない。それが一番理想」。現状は41歳福留を筆頭に37歳の糸井、鳥谷が主力。気鋭の若手が突き上げればチーム力が上向くと信じる。

「ベテランが『俺はお前に負けへん』となって(若手が)『俺らもいきます』というチーム内の競争になってきたら、勝手に勝てる方向に近づくと思う」

指揮官が安芸でナインに問い続けた言葉がある。「どんな選手になりたい?」。オフも自問自答する時期だ。「5勝でいいのか、1軍に上がるだけでいいのか。どう描くかだけで全然変わるシーズンオフになる」。主力との距離を詰める季節に入る。【酒井俊作】