矢野虎は「大補強」の巨人にひるまない!! 阪神矢野燿大監督(49)が22日、打倒巨人を誓った。永遠のライバルは前日21日に今季、大リーグ・パドレスで20本塁打を放ったクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)、この日はオリックスを自由契約となった中島宏之内野手(36)の獲得を発表した。さらに広島FAの丸佳浩外野手(29)にもアタックしている。大補強を警戒しながらも、指揮官は「強いところを倒すというのは、阪神ファンが喜んでくれる」と気合をみなぎらせた。

東の方から威勢のいいニュースが次々と飛び込んでくる。発信源は巨人だ。前日21日には今季、メジャーで20本塁打をかっ飛ばしたビヤヌエバを獲得。阪神も興味を示していた大砲候補に続き、この日はオリックスから自由契約になった通算194本塁打の中島も加入した。さらに広島からFA宣言した丸にも触手を伸ばす。2年連続MVP候補のスラッガーが加われば…。背筋が凍る大補強に、矢野監督は「ジャイアンツ、すごいよね…。どうすんの、また? 丸もどうこうってなったら、すごいことになるな、と。恐怖感は出てきたけど。いまは何とか自分のチームをよくすることしかないけど、やっぱり情報としては気にはなるよね」と苦笑いを浮かべた。

今季は8勝16敗1分け。完膚なきまでにたたきのめされただけに無理もない。超重量打線に思いをはせ「やる方は嫌だよ、やっぱりね。そんな強力打線になって、しかも東京ドームでやれば本塁打が出やすい球場。そういう意味では嫌は嫌やけど、その中でどう戦っていくかというのは見つけていかないといけない」と警戒した。

10月中旬に新監督を引き受けてから11月の秋季キャンプなどチーム再建に着手したばかり。まずは足元を見つめて新体制の地歩をしっかりと固める。

「自分のところをやることがね。俺が相手のことを思っても操作することなんてできない。自分のチームをいかによくするかというのに集中したいし、相手の戦力どうこうというのは来年になってオープン戦をやってになってくると思う」。

そう冷静に話しながらも、ライバルへの対抗心は強い。巨人には12年以降、7年連続で負け越し。勝ち越しは07年が最後だ。指揮官は歳月の重みをかみしめ「ある意味、強いところを倒すというのは阪神ファンは喜んでくれる。もちろん広島も倒さないといけないけど、巨人を倒すと喜んでもらえる。昔の人たちが作ってくれた、せっかくの伝統の一戦と言われるところを俺らは受け継いだ戦いをしていきたい」と強調。強きをくじくべく、武者震いした。【酒井俊作】